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2022-11-21

より小さく、より軽く、よりパワフルに。 ZF、乗用車と商用車向けの新しい電動ドライブを発表

  • Eモーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッション、ソフトウェアからなるシステム全体で、優れた出力密度と効率性を実現
  • 3つの基本構成からなる最適化されたモジュラーコンセプトによる最大限の柔軟性
  • コンパクトな設計で省資源化を実現
  • ZFは製品イノベーションで技術的リーダーシップを発揮
  • 業界最多の250億ユーロを電動ドライブで受注

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より小さく、より軽く、よりパワフルに。 ZF、乗用車と商用車向けの新しい電動ドライブを発表

フリードリヒスハーフェン発; ZFは、乗用車および小型商用車向けの最新世代の電動ドライブを発表します。コンポーネントとシステムの両レベルで数多くの革新的技術を導入することにより実現した、優れた出力密度とエネルギー効率によって新たなスタンダードを打ち立てるものです。ドライブのコンパクト設計、パワーエレクトロニクスにおける「ディスクリート・アプローチ*」、省資源化により製品の生産面をより持続可能なものとしています。モジュラーコンセプトを採用した新しいZFの電動ドライブは、自動車メーカーが自社の全モデルの電動化を加速します。エンドユーザーにとっては、この新技術により、高効率、高出力、短時間での充電が可能になります。

*ディスクリート・アプローチ:パワー半導体のディスクリートパッケージを集積してモジュールを構成していく手法

ZFは、未来のモビリティのためのテクノロジーを開発・生産しています。200 万個のモーターを生産し、800Vテクノロジーによる高電圧車両用電気システムの量産を今年開始することで「ZFが、ダイナミックなエレクトロモビリティ市場を牽引し、技術およびイノベーションのリーダー」としての役割をさらに強めることを示しています。ZFが11月21日にフリードリヒスハーフェンで国際メディアに発表した最新の動きは、会社の変革が成功した証です。

市場の要求を先取りするシステム・アプローチ

ZFはすでに、顧客やエンドユーザーが求める機能を視野に入れ、純粋な電動ドライブのための包括的な製品群を開発しています。

多様化する市場の需要により迅速かつ的確に対応するため、モーター、インバータ、トランスミッション、ソフトウェアを備えたモジュラ型の包括的なコンセプトに基づく新世代の電動ドライブを技術陣から発表します。

電動パワートレインシステム プロダクトライン責任者のマルクス・シュヴァーベは、次のように説明しています。「私たちは、標準仕様であっても、効率、性能、コストというお客様の主な要望を満たす 3つの基本システムに重点を置いています。これをベースに、あらゆるセグメントの電気自動車において、それぞれのお客様の要望をより最適に実現することができるのです」

「高電圧ビジネスにおける当社の高い受注額が、乗用車と商用車の両分野においてメーカーが当社の製品に大きな関心を寄せていることを証明しています。次世代の電動ドライブによって、当社は将来に向けて持続可能で効率的なモビリティを開発するという戦略を一貫して続けています」と、ZFの取締役会のメンバーで、ZFグループ電動モビリティ責任者のシュテファン・フォン・シュックマンは、述べています。

コンポーネントだけでなく、システムにも革新的な強みを

新世代の電動ドライブ は、ZF は統合された電動ドライブ システムを提供します。ZF のアプリケーション エンジニアは、高度なインターフェイスの専門知識とドライバビリティーに関する深い知見により、お客様のご要望に的確にお応えすることができます。また当グループは、独自のシステム・ソリューションの基礎となる革新的な部品を個別に提供することも可能です。

「洗練された内部構成により、この非常にコンパクトな設計が実現し、システムや部品をわずかな労力で適合させることが可能です。また、構造的に剛性が非常に高い設計となっており、優れた静粛性を実現することができます。」と電動ドライブテクノロジーの開発責任者であるオトマール・シェラー博士は説明しています。新世代のZFのEドライブは、2025年以降にシステムとして上市される予定ですが、個々の部品の量産はこれよりも早い時期に開始される見込みです。部品レベルで以下のような技術革新の推進、システムトータルとしての最適化の推進に貢献します:

「ディスクリートパッケージテクノロジー」によって、パワーエレクトロニクスは、高度な部品の標準化とフレキシブルな適応の両立をとることができます。個別の製品要求特性の実現は、チップレベルで行われます。ディスクリート構造のZFインバータは、個々のパワー半導体スイッチで構成されています。このモジュール化により、複雑なパワーモジュールを使用した場合よりも優れたスケーラビリティを実現します。さらに、ZFの「ディスクリート・パッケージ・テクノロジー」では、従来のパワーモジュールに比べ部品点数の削減に成功しました。「パワーエレクトロニクスに対する当社の新しいアプローチにより、さまざまな市場の要望に、より早く、より的確に応えることができます」とシェラーは述べています。

ZFは、高度にインテグレートされた新しいモーターにより、現在市場に出回っている技術に比べてさらに出力密度を向上させました。ここで決定的な役割を果たすのは、新しい冷却コンセプトと新しい巻線技術です。新しい冷却コンセプトにより、ZFは、運転中に最も熱が発生する銅製ロッドの周囲に直接オイルを流すことができるようになりました。このような高効率の冷却により、同じ重量と設置スペースで性能を大幅に向上させることが可能です。電気モーターの連続出力は、ピーク出力の最大85%まで向上しています。また、重希土類の使用を大幅に削減することができ、より持続可能なモーターを製造することができます。ZFが開発した編み込み式巻線技術は、「ヘアピン」巻線をさらに発展させたもので、合計で10%の設置スペース削減を可能にします。巻線ヘッドだけでも、従来の方法に比べて約50%小さくなっています。これは、処理される原材料が約10%削減できるということです。

ZFはこの新しい同軸減速ギアボックスにより、世界最高レベルのプラネタリギアボックスのノウハウを次世代の電動ドライブに応用します。統合された2つのプラネタリギアは、求められる車軸比を生み出すだけでなく、差動機能も内包しています。一般的なオフセット構成と比較して、この新しい構成は、効率、ノイズ、振動を損なうことなく、重量および設置スペースを減らすことができます。

燃料電池を用いた電動ドライブでは、高電圧コンバータ(DC-DCコンバータ)が中心的な役割を担っています。燃料電池の低い出力電圧と高負荷時の強い電圧降下を補うものです。乗用車および商用車向けに開発されたZFパワーエレクトロニクス・プラットフォームの新しい高電圧コンバータは、効率性の点で最高値99.6%を達成しています。

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