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2021-07-29

ZF、2021年度上期決算発表:順調な回復を報告

  • テクノロジー企業として、困難な状況でも収益を確保
  • WABCO社との統合プロセスは最終段階に
  • 商用車事業部の成長は顕著、新規受注を獲得
  • グリーンボンド発行とCO2排出量削減の取り組みによるサステナビリティ戦略

ドイツ、フリードリヒスハーフェン発;ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)は、2021年上半期の決算を発表しました。パンデミックの影響を強く受けた2020年上半期とは異なり、2021年上半期の売上高は好調で193億ユーロ(2020年:135億ユーロ)、前年比で43%増加しました。調整後EBITは10億ユーロ(2020年:マイナス1億7,700万ユーロ)でした。このように順調に成長するビジネスは不透明な国際市場とは対照的な結果となりました。

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ZF、2021年度上期決算発表:順調な回復を報告

ZFのCEO、ウォルフ=ヘニング・シャイダーは、上半期決算発表で次のように述べました。「2020年後半から勢いに乗り、自動車業界の経済回復による恩恵を受けました。また、私たちはアジャイル型の組織づくりを発展させながら、排出量削減や車両の安全性向上に向けた革新的技術を生み出し、多くの新規受注を確保しています」。

今年上半期は、パンデミックの状況下であることに加え、半導体不足やサプライチェーンの分断、原材料や物流サービスの価格上昇などにより差し迫った影響を受けました。そのため、ZFはサプライチェーンを部分的に見直し、ローカルのサプライヤーをより巻き込むことで短縮化しました。シャイダーCEOは以下のように続けます。「非常に野心的なCO2排出量制限に関する、特に欧州で顕著な長期的なトレンドは加速しています。これは完全電動ドライブの需要は増えるということですが、電動化に伴う変化(環境、雇用、ニーズ)のバランスを取ることは非常に困難です。電力供給や電力網から充電インフラに至るまでのインフラストラクチャ開発に関する明確な計画は、将来の方向性を決める上で必要不可欠なものです。」

ZFは、1年前に労使協議会と結んだ集団協約である“Tarifvertrag Transformation(労働協約の変革)”において、この数か月間で前進しました。この過程で、現在ドイツの各拠点では、将来の方針に関する目標策定のための議論が進行中です。シャイダーCEOは以下のように強調しました。「今、私たちは、2022年末までの労働協約期間を利用し、従業員の代表とともに、各拠点の堅実な計画を策定しています。私たちはすでにそれらの計画のほとんどに対し、有効な解決策を導き出すことができています」。

資金調達戦略による主要数値の改善

今年上半期、ZFは自動車産業の経済回復による恩恵も受けました。上半期の売上高は193億ユーロ(前年上半期:135億ユーロ)で、前年同期比で43%の増加、為替レートやM&Aの影響を調整した売上高は38%の増加(前年上半期:マイナス27%)でした。調整後EBITは10億ユーロ(前年:マイナス1億7,700万ユーロ)、調整後EBITマージンは5.2%(前年上半期:マイナス1.3%)でした。

ZFのCFOであるコンスタンチン・ザウアー博士は次のように述べています。「今年上半期、私たちは業績を向上させながら目標を達成しました。この好調な発展を続けるために、コスト抑制は私たちにとって引き続き重要です。」

最近の動向および今後数ヶ月の見通しに、不透明なサプライチェーンの現況を考慮に入れながらも、ZFは年間予測を遵守し、通期の売上高は370億ユーロから390億ユーロの間になると予想しています。現時点では、売上高はこの範囲の上限で、調整済みEBITマージンは4.5~5.5%の範囲と予測しています。調整後のフリーキャッシュフローは8億ユーロから12億ユーロの間になると予想しています。今年下半期は、原材料と物流サービスの価格上昇による長引く負担を想定しており、半導体調達の継続的な制限、パンデミックのさらなる拡大などによるリスクが発生する可能性も想定しています。

ZFは資金調達戦略により、投資と負債削減のバランスをうまく保っています。その1つが、昨年新たに開始したユーロMTN(Euro Medium Term Note)プログラムです。ザウアーCFOは以下のように説明しました。「ユーロMTNプログラムにより、私たちは資本市場でより迅速かつ柔軟に行動することが可能になります。また、ZFは債務の満期構成を積極的に管理しています」。例えば、パンデミックの影響下で確保した13.5億ユーロのクレジット・ファシリティはすでに完済し、来年期限のWABCO社買収に関わる資金調達に使用したボンデッド・ローンのうち10億ユーロ分も返済しています。

クリーンエネルギーと持続可能なドライブライン技術向けのグリーンボンド

ZFのサステナビリティ戦略は財務セクターにも反映されています。ZFは今年4月に初めてグリーンボンドを発行しました。5億ユーロの収益は、風力および電動モビリティビジネスの将来的な取り組みに役立てられます。機関投資家を対象とした2.0%の利回りの6年債券には、非常に高い関心が寄せられ6倍の申し込みがありました。

インドの独占禁止法の規定に従い、ZFは6月、WABCO社買収の過程で、合弁会社であるBrakes Indiaの株式の49%を売却しました。強制的株式公開買い付けの一環で、WABCO India社の株式保有割合が2020年に75%から93%に増加しましたが、今年上半期には77%に減少しました。(さらに2%が今年下半期に売却され、最終的に75%となります)。また、ZFは6月、ドイツのカッセル・カルデンを拠点とするZF Luftfahrtechnik GmbHのエアバス・ヘリコプターズ社による買収に関する契約を同社と締結しました。戦略的な航空技術ビジネスの売却により該当部門の将来性の見込みは良好です。

商用車事業部の統合

2022年1月1日付で、ZFの商用車関連の2つの事業部は、正式に商用車ソリューションズ事業部となり、以降、一つのチームとして機能します。ZFは、本日(7月29日)、今後数年にわたり、協力して戦略計画を推進する新事業部のシニア・マネジメント・チームを発表します。2つの事業部の業績は好調で、2021年の売上高の大幅な増加を期待しています。シャイダーCEOは次のように述べています。「WABCO社の買収後まもなく、私たち、包括的ソリューションとメリットを提供する商用車技術のシステム・サプライヤーとして、お客様から評価されています。そして、システム統合された技術により、自動運転、車両管理、電動化技術を包括し、かつ当社の将来性を高める大型受注を獲得することができました」。

下半期の見通し:IAA Mobility 2021と新技術の市場投入

ZFは「Next Generation Mobility. Now!」というスローガンの下、9月にミュンヘンで開催されるIAA Mobility 2021(国際モーターショー)に参加し、未来のモビリティのためのアイデアとソリューションを提案します。9月7日から12日まで、展示ホールにブース(A 1. B 80)を出展いたします。IAA Mobility 2021の新たなコンセプトは自動車という枠を大きく超え、個人/公共のモビリティのすべてのセグメントをカバーするもので、ZFはこの機会を幅広い技術を発表する理想的な場と考えています。展示の中心はソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)と、フォーミュラEレースシリーズでも使用されている航続距離の長い電気自動車向けのシステム技術です。また、今回ZFが発表する部品やシステムは未来の夢物語ではなく、すでに受注可能、もしくはこれから市場投入されるものです。

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