2020-08-07

ZF、2020年度上期決算を発表:グループ構造の変革を加速させ新たな市況に対応、先進分野に投資

  • 早期の効果的コスト削減策により流動性を確保
  • 世界的な自動車生産台数減と技術変革に対応し、グループ構造、組織能力を長期的な視点で調整
  • 電気自動車向けドライブの新事業部設立
  • WABCO社の統合は予定通り順調
  • 「Transformation Collective Agreement(労働協約)」により、ドイツで従業員約50,000人の労働時間を調整
  • 通期の調整後EBITは黒字の見通し

ドイツ、フリードリヒスハーフェン発; ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)は、2020年上半期の決算を発表しました。売上高は、困難な状況下で135億ユーロ(2019年:184億ユーロ)でした。前年の同時期と比較し27%減少しました。迅速かつ効果的なコスト削減策により、調整後EBITは1億7,700万ユーロのマイナスで維持されました。ZFは、世界の自動車市場の緩やかな回復に伴い、生産体制を強化しているため、通期の調整後EBITは黒字を見込んでいます。ZFは会社を経済面、技術面おける新しい環境に適合させ、下半期は財務的独立性を強化することに注力します。

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ZF、2020年度上期決算を発表:グループ構造の変革を加速させ新たな市況に対応、先進分野に投資

ZFのCEO、ウォルフ=ヘニング・シャイダーは、上半期決算について次のように述べました。「3月から世界中すべてのZF従業員とともに、コスト対策を講じ、今年上半期に10億ユーロ以上を削減しました。下半期は、あらゆる場所での生産を強化し、業績を回復させます。そして、長期的な視点でグループ構造、組織能力を再構築していきます。私たちはZFの方針を厳守ながら、経費を削減し、売上規模に合わせた人員配置を行い、重要分野に厳選して投資していきます。今後数か月の間に新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の拡大がなく、下半期の市況が前年のマイナス10~15%という私たちの予想の範囲内にある場合、ZFは、このような前例のない状況にあったとしても、通期では調整後EBITの黒字を達成することが可能です。」それでも、ZFの年間損益は赤字の見込みです。

シャイダーCEOは、過去2年間の市場低迷により、ZFは新型コロナウイルス感染のパンデミック発生前から、グループ構造、組織能力の最適化にすでに取り組んでいたことを想起し、次のように述べました。「ZFは、次世代のモビリティ戦略の下、グループの長期的方向性を定義し、ゴールを定めました。私たちの計画は順調に進んでいます。今年上半期のかつてない危機的状況にもかかわらず、技術変革の中核領域においては、当社への受注は順調に伸びています。ZFは、Eモビリティ、ADSA(先進運転支援システム)とそれに関連する最先端センサーおよびインテリジェント・アクチュエータの分野で数々の主要な賞を受賞することができました。」

ZFはバス向けトランスミッションおよび電動ドライブも受注しており、アフターマーケットにおいても高い評価を得ています。また、風力発電事業部も、ヨーロッパ以外の市場の急成長による恩恵を受けています。さらに、水素燃料への世界的関心の高まりの影響を受け、関連部門はより興味深い発展を期待できる。とシャイダーCEOは以上のように考えています。

新事業部により変革を推進

ZFは、Eモビリティへの継続的変革において、さらなる重要なステップを発表しました。2021年1月1日付けで現在のカー・パワートレイン・テクノロジー事業部とEモビリティ事業部を統合して新事業部を設立し、電動ドライブライン・ソリューションを集約してお客様に提供します。将来的には、ZFは内燃機関車向けトランスミッションへの投資を終了し、長距離走行が可能なプラグイン・ハイブリッドと完全電気自動車向けの柔軟なプラットフォーム技術に開発を集中させる予定です。

シャイダーCEOは次のように述べています。「このパンデミックは自動車産業の変革を著しく加速させています。そして電動化はさらに進むと予想しています。ZFはこの困難に挑み、成長する電気自動車向けドライブ市場へ参入するために必要な変革を推進しています。新しく設立される事業部は、両事業部のシステムの利点を活用することで、世界的な開発と生産能力を集約し、包括的に電動ドライブの製品ポートフォリオを自動車メーカーに提供することができます。」

シャイダーCEOは、2020年5月29日に完了した商用車向けブレーキメーカーWABCO社の買収により、ZFのさらなる発展を見込んでいます。WABCO社は、新たに商用車コントロールシステム事業部として統合されました。これにより、商用車セクターにおけるシステムサプライヤーとしてのZFのポジションを強化し、製品ポートフォリオを拡大してお客様に提供することができます。統合直後から開始された統合プロセスは計画通り進行中で、商用車向けADASおよび自動運転機能の分野は特に順調に進んでいます。 統合後1か月の結果が上半期決算に反映される新事業部は、新型コロナウイルスの影響を受けた脆弱な市場であるにもかかわらず、ZFグループの業績にプラスの貢献をしています。

ZFは、グループの構造改革に加えて、低迷する需要と加速する電動化に対応するため、組織能力を調整しています。そのため、ZFはドイツで労使協議会および労働組合と「Transformation Collective Agreement(労働協約)」を締結しました。これは、ZFが2022年末まで強制的な人員整理を行わず、ドイツのいずれの製造拠点も閉鎖しないことを規定しています。その代わりに、ZFは労働協約対象の従業員の労働時間を最大20%削減し、対象を絞った退職パッケージを提示することができます。また、ドイツの一定の年齢以上の従業員に対してはパートタイムでの勤務を依頼することができます。 2019年半ば以降、ZFは今年初旬の3,800人を含め、5,300人の労働力をグローバルで削減しています。

60,000人以上の従業員がリモート勤務

ZFは再稼働にあたり、従業員の安全を最大限確保するための対策を講じました。シャイダーCEOは次のように強調しています。「サプライチェーンを維持するために、私たちは尽力しています。」ZFのITチームは業務のデジタル化に最適なインフラとプログラムを短期間で提供し、世界の60,000人以上の従業員がリモート作業を行えるようにしました。同時に、ZFのデジタル・コミュニケーション関連のソフトウェアをクラウドに移行することで、そのパフォーマンスと可用性を向上させ、新しい働き方に対応しました。加えて、好評だったオンライントレーニングコースを提供しました。

ZFの従業員の多くは、リモートワークの長期的継続を望んでいます。働き方が柔軟になることで、仕事の満足度と生産性の両方が向上したため、ZFは各国の要件に合わせたリモートワークスキームを導入する予定です。

シャイダーCEOは、困難な状況下での様々な取り組みに対して、世界中のすべての従業員に感謝の意を示しました。

通期で調整後EBITの黒字を目指す

新型コロナウイルス感染の流行と生産の一時停止に起因する需要の激減により、2020年上半期の主要数値は、前年同期の数値を大幅に下回りました。売上高は135億ユーロ(2019年:184億ユーロ)、為替レートやM&Aの影響を調整した売上高は前年同期比でマイナス27%となりました。また、調整後EBITはマイナス1億7,700万ユーロ(2019年上半期:約6億5000万ユーロ)、調整後EBITマージンはマイナス1.3%(2019年上半期:3.5%)でした。2020年上半期の最終損益はマイナス9億1,100万ユーロでした。

財務上の安全性を確保するために、ZFは5月、新たに13億5000万ユーロのシンジケート・クレジット・ファシリティ契約をコアバンクと終結しました。これは、流動性資金準備として利用可能な30億ユーロのリボルビング・クレジット・ファシリティを補うものです。そのため、ZFの2020年上半期末時点での利用可能なクレジット・ファシリティは合計47億ユーロです。

ZFのCFOであるコンスタンチン・ザウアー博士は次のように述べています。「パンデミックが始まると同時に、私たちは非常に迅速に対策本部を立ち上げ、対応しました。これにより、パンデミックの経済的影響を最小限に抑え、積極的にコストを管理することで流動性を確保することができました。これは財務的には好意的に評価されています。さらに、この危機管理の経験を通じ、コスト構造の改善を続けています。」一般的な市場動向と同じく、ZFは通期の売上高が前年を大幅に下回ると予想しています。しかしながら、ZFは上半期のマイナスの結果にもかかわらず、依然として通期での調整後EBITの黒字化を目指し、調整後のフリーキャッシュフローの黒字を見込んでいます。しかし、これらの目標は非常に野心的であり、不安定な経済状況を鑑みるとかなりのリスクが伴うとザウアーCEOは説明しています。

下半期の見通し

ZFは、市況は今年後半も不安定であると予想しています。シャイダーCEOは次のように述べています。「現時点でヨーロッパは回復の兆しを見せていますが、自動車の輸出減少と厳しい排出規制により、今後数年間で最も危機的な地域になる可能性があります。」現在Covid-19感染者数が多い南北アメリカ地域での開発も不透明です。 シャイダーCEOは次のように続けます。「中国とアジア地域は現在最も有望な市場です。この地域のビジネスは非常に力強く戻っており、売上回復に貢献しています。」

全体として、世界経済は依然として緊迫した状態にあります。 ZFは今後3年以内に市場が2019年と同レベルまで回復するとは予想していません。シャイダーCEOは次のように説明します。 「6トンまでの乗用車および小型商用車は、2023年には8,850万台を予測しており、2018年の約9,400万台には回復しないでしょう。」大型商用車の場合、さらに回復は鈍く、2023年の大型トラック販売予測台数は320万台でしたが、2019年の数値(356万台)を下回る36万台になると予想しています。

回復の遅れを考慮しながら、ZFは会社を新しい状況に適応させ、持続的な収益を達成するために取り組んでいます。「Eモビリティや自動運転などの最先端テクノロジーへの投資を継続し、ビジネスを獲得することで、将来の財務的独立性をさらに強化します。」とシャイダーCEOは強調しました。

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中村典子(Noriko Nakamura)

コーポレイト・コミュニケーション

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