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2020-03-26

ZF 2019年決算発表:新規受注と高い投資率で厳しい市況に備える

  • シャイダーCEO:ZFは会社と従業員、双方の利益を一致させ、新型コロナウイルスの影響に迅速かつ果敢に対応
  • 2019年の売上高は365億ユーロ(前年度369億ユーロ)
  • 調整後EBITは15億ユーロ(前年度21億ユーロ)、調整後EBITマージンは4.1%(前年度5.6%)
  • 研究開発支出は27億ユーロ(前年度25億ユーロ)に拡大
  • 乗用車およびバス向け電動ドライブを新規受注
  • WABCO社の戦略的買収に関わる堅実な資金調達

ドイツ、 フリードリヒスハーフェン発; ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)は、2019会計年度の業績を発表しました。厳しい状況下でも、2019年夏の見直し後の通期目標を達成し、ZFグループの売上高は365億ユーロ(為替とM&Aによる影響の調整後)で、前年度の売上高369億ユーロをわずかに下回るのみとなりました(成長率:-1.9%)。調整後EBITは15億ユーロ(前年度21億ユーロ)、調整後EBITマージンは4.1%(前年度5.6%)でした。2019年末時点の世界全体のZF従業員数は147,797人(前年度148,969人)となりました。ZFは新型コロナウイルスの影響に迅速かつ優先的に対応しながらも、「Next Generation Mobility(次世代のモビリティ)」戦略を長期的に掲げ、未来のモビリティの実現を目指します。

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ZF 2019年決算発表:新規受注と高い投資率で厳しい市況に備える

ZFのCEO、ウォルフ=ヘニング・シャイダーは、フリードリヒスハーフェンで以下のように述べました。「我々は現在、突然の市場崩壊を目の当たりにしています。ZFは、新型コロナウイルス感染拡大の影響に迅速かつ果敢に対応し、会社の利益と一致させながら、最善の方法で従業員の健康と利益を優先させています。我々の目的は、適切な方法で雇用と収益を確保し、社会的責任を果たしながら、従業員の健康を守ることです。さらに、ZFはすべての企業にとって不安定な現在の経済状況を安定させることに貢献します。」

ZFはこのような深刻な状況下でも乗り切る自信を持っています。お客様が生産を再開した後、ZFの欧州と米国の生産体制を強化する準備をしているとシャイダーCEOは強調しました。アジアでは、すでに生産を再開しています。シャイダーCEOは次のように述べています。「ZFは、信頼のおけるビジネスパートナーとしてお客様のニーズにいつでも応えられるように備えています。」

主要数値:高い投資率と市況不振

2019年のZFグループの売上高は、前年度を下回る365億ユーロ(前年度369億ユーロ)、為替やM&Aの影響を調整した売上高の成長率はマイナス1.9%となりました。シャイダーCEOは以下のように説明しています。「我々の業界全体の大変革に関連した経済情勢や困難な状況は、昨年、ZFのビジネスに目に見える影響を与えました。それにもかかわらず、ZFはハイブリッド対応の新型8速オートマチック・トランスミッションや乗用車およびバス向け電動ドライブをはじめとした複数の大量受注を獲得することができました。」

調整後EBITは15億ユーロ(前年度21億ユーロ)、調整後EBITマージンは4.1%(前年度5.6%)でした。研究開発支出の増大や、ドイツ、セルビア、中国に設立された電動ドライブの生産施設などの、次世代技術にフォーカスした新拠点の設立は収益に影響を及ぼしました。さらに、自動車業界の景気悪化もこの結果に反映されています。M&Aによる影響の調整後のフリーキャッシュフローは8.03億ユーロ(前年度8.91億ユーロ)でした。

ZFは市況不振に堅実に対処しています。投資の見直しと延期、一部の拠点を一時閉鎖することを承諾しました。ZFのCFO、コンスタンチン・ザウアー博士は、以下のように述べています。「我々はコスト構造を市場の変化に適合させることができました。これにより、2019年半ばに見直した見通しの範囲内に収まる結果を残すことができました。しかしながら、これらの数字はZFの長期的な戦略的ゴールに見合うものではないため、今後、よりよい結果を出せるよう、ZFはコスト構造を引き続き徹底的に管理します。」業務プロセスのデジタル化の加速などがこれに貢献します。

不動産、工場や設備への投資額は19億ユーロ(前年度16億ユーロ)、投資比率は5.2%で、2018年(4.3%)と比べ顕著に高い比率となりました。

商用車向けブレーキサプライヤーであるWABCO社買収計画における資金調達は成功しました。これを完了させるため、昨年10月に計48億ユーロ相当の債権およびボンデッド・ローンを発行しました。ザウアー博士は以下のように説明しています。「この資金調達に関して我々がオファーした以上に多くの投資家から申し込みを受けています。これは、金融市場がこの買収の将来性を見込んでいるということです。」

研究開発費を増額:新規パートナーシップ

厳しい状況にもかかわらず、ZFは研究開発費を27億ユーロ(前年度25億ユーロ)に増額し、その比率も6.7%から7.3%に上がりました。シャイダーCEOは次のように語っています。「我々がこの危機を乗り越えた時、次世代技術にフォーカスした投資をさらに進め、リーディング・システムサプライヤーとしてのZFの価値を高めたいと考えています。」

ZF内のリソースに加え、共同事業やパートナーシップ締結は特に自動運転分野の研究開発において重要な役割を担っています。例えば、ZFはオランダの2getthere(トゥー・ゲット・ゼア)社の60%の株式を取得し、自動電動移動システムサプライヤーとしての地位を確立しました。また最近では、マイクロソフト社との提携により、ソフトウェア開発プロセスを改善、ZFのソフトウェアに関連するノウハウを大幅に強化しました。シャイダーCEOは以下のように説明しています。「これらはフレキシブルな対応とソフトウェアのアップデートに迅速さを要求する当社のお客様にとって重要です。加えて、ハードウェアの完成前にソフトウェアの開発を進めることも可能になります。ZFは自動車業界に(ハードウェアなしの)単体の製品としてソフトウェアソリューションを提供していきます。」

従業員数は微減

2019年末時点の全世界のZF従業員数は147,797人(前年度148,969人)でした。当初、数千人規模の増員を予定していましたが、市況不振を反映して0.8%の減少となりました。ZFは市況にあわせ、中国(9.7%減の13,289人)と米国(7.5%減の11,069人)の従業員数を調整しました。ドイツでは、前年と同レベルの50,900人を保っています。そして、Eモビリティ、自動運転、およびソフトウェア開発分野の業務拡大により、現在、世界中で19,400人(前年度17,100人)が研究開発に従事しています。

2040年までにクライメート・ニュートラル達成

ZFは、将来を見据えたモビリティ・ソリューションプロバイダーとして、パリ協定の下、クリーンで効率的なテクノロジーの提供と各拠点におけるCO2排出削減に取り組んでいます。これを達成するため、当社は昨年、いわゆるCCF(コーポレート・カーボン・フットプリント)に基づく、環境保全戦略を打ち立てました。この戦略は当社の工場から排出される温室効果ガス(主にCO2)の大幅削減に取り組むものです。シャイダーCEOは以下のように語っています。「我々のゴールは国連の環境委員会の取決めに従い、2040年までにクライメート・ニュートラルを達成することです。そのためZFは既存のエネルギー効率プログラムを強化し、当社の施設からグリーンエネルギーにフォーカスしていきます。」また、ZFは風力による持続可能なエネルギー発電により、当社の生産拠点外でも環境保全に大きく貢献していきます。

2020年の見通し

新型コロナウイルス感染拡大とZFの年次財務諸表の承認後、世界経済は大きく変わっています。シャイダーCEOは以下のように強調します。「我々は世界中の社会生活と経済活動が停滞するという、かつてない事態に直面しています。この影響は不明瞭で、現時点で、2020年の見通しをお話しする状況ではありません。しかし、ZFは従業員を守り、ウイルス感染拡大を防ぎ、そして会社の安定を確保することに引き続き全力を尽くします。ZFは「Next Generation Mobility(次世代のモビリティ)」戦略の下、長期的視点で未来のモビリティを実現する準備はできています。」ハイブリッド対応新型8速オートマチック・トランスミッションの10億ユーロ規模の受注、アクティブ・セーフティ・テクノロジー関連(統合ブレーキ・コントロール(IBC))の新規ビジネス、バス向け電動ドライブの需要拡大、自動運転に関わる研究開発の受注に裏付けられるように、ZFには堅実かつ長期的な見通しがあります。

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