プレスリリース
ZF、12段AMT 「TraXon 2」(流体式リターダー 「Intarder」搭載)が、日野自動車の新型「セレガ」に採用
- 日野自動車の新型プレミアム観光バス「日野セレガ」に、流体式リターダー「Intarder」を統合したZF製「TraXon 2 Coach」トランスミッションが初採用されました。
- 今回の採用によりトランスミッションにおける日野自動車との協業を、トラック向け用途から日本の高級観光バス市場へ本格的に拡大する一歩となります。
- トランスミッション以外にもZFのブレーキ、サスペンション、および先進運転支援技術が、日野自動車の新型セレガの安全性、快適性、効率性のさらなる向上に貢献しています。
ドイツ・フリードリヒスハーフェン発 ー ZFの最新世代自動マニュアルトランスミッション(AMT)である「TraXon 2」が、流体式リターダー「Intarder」との組み合わせで、日本の日野自動車の新型プレミアム観光バス「セレガ」で採用されました。ZFはさらに、ブレーキ技術やサスペンション技術、ならびに先進運転支援システムを支える各種コンポーネントも新型「セレガ」へ供給しています。
今回の採用は、日本の商用車市場におけるZFのプレゼンスを強化するとともに、豊富な製品ポートフォリオを生かして地域ごとの市場ニーズに最適なソリューションを提供できることを示しています。
2026年に発売された新型「セレガ」は、日野自動車のプレミアム観光バスの最新モデルです。また、長距離旅客輸送における運転快適性と安全性の向上を図りながら、スムーズで効率的な車両運行を実現するZFの12段AMT 「TraXon 2 Coach」を日野自動車として初めて採用頂いたモデルでもあります。
このプロジェクトは、ZFと日野自動車との長年にわたる協力関係の重要な発展を示すものでもあります。両社がこれまでトラック分野で成功を収めてきたパートナーシップを、プレミアム観光バス分野へと拡げる一歩になりました。
日野自動車 プロダクト推進部 部長の向里 憲二氏は次のように述べています。
「TraXon2 CoachとIntarderが生み出す静粛で滑らかな走りと安全性が、新型セレガを新次元へと引き上げました。この感動をお客様へ届けられる喜びと、実現を支えたZF関係者の皆様への深い感謝を胸に刻みます。」
新世代モビリティを支える先進トランスミッション技術
世界累計販売台数150万基を超える「TraXon」は、高い信頼性と性能により、商用車向けAMT市場においてZFの主力製品として高い評価を獲得しています。その実績あるプラットフォームを基盤に開発されたTraXon 2は、大型トラックおよび観光バス向けAMTシリーズの最新世代モデルです。
12速AMTには、ZFが独自開発したECU(電子制御ユニット)とシフトアクチュエーターを搭載しており、最適なギア選択と高精度な変速制御を実現します。スムーズな加速特性により、運転時の快適性と乗車時の快適性を高め、より質の高い移動体験に貢献します。
次世代プロセッサーと高度なセキュリティ機能を搭載
TraXon 2は、次世代マイクロプロセッサーと統合セキュリティモジュールを搭載し、演算処理能力の向上とサイバーセキュリティ機能の強化を両立しています。また、包括的なソフトウェアパッケージやブレーキ連携機能により、トランスミッションの性能と効率をさらに向上させています。TraXon 2は用途や運行条件に応じて、従来世代のTraXonと比較して最大1.7%の燃料消費量およびCO₂排出量の削減を実現します。
流体式リターダー 「Intarder」を搭載
TraXon 2は例えばバス向けのアプリケーションなどでZFの流体式リターダーIntarderを組み合わせることができます。Intardar(インターダー)はトランスミッションに統合された流体式の補助制動装置で、限られた搭載スペースにも対応しながら、エンジン回転数に依存しない強力な補助制動力を発揮します。長い下り坂や高速走行時においても安定した減速性能を提供し、安全で快適な運行をサポートします。また、サービスブレーキの使用頻度を最大90%削減できるため、メンテナンスコストの低減に加え、ブレーキダスト排出量の削減にも貢献します。
「当社は、日野自動車のような高い評価を受けるプレミアムバスメーカーを、
最新のトランスミッション技術で支援できることを誇りに思います」と、ゼット・エフ・CVソリューションズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長の丹野 宏臣は述べています。
「Intarderを統合したTraXon 2は、高い運行効率、滑らかな変速性能、そして優れた信頼性を兼ね備えており、起伏に富んだ地形を含むさまざまな道路環境において、快適で安全な長距離輸送を支えます。また、フリート事業者の運行効率向上やサステナビリティ目標の達成にも貢献します。」
ZFの包括的な技術が安全性・走行安定性・快適性を向上
新型「日野セレガ」には、ドライブライン以外にもZFのさまざまな技術が採用されています。これらは、ZFの包括的なシステム開発力を示すものであり、車両の走行安定性および乗り心地の向上に貢献しています。具体的には、電子制御ブレーキシステム(EBS)、電子制御ショックアブソーバー制御(ESAC)によって走行状況に応じた減衰力を実現する連続減衰力制御(CDC)、ならびに電子制御エアサスペンションシステム「OptiRide ECAS」などのZF製ブレーキおよびサスペンション技術が採用されています。
また、ZFは車両の先進運転支援システム(ADAS)にも技術を提供しています。新型「日野セレガ」にはZF製の近距離レーダーセンサーが搭載されており、左折時の自転車や歩行者の巻き込み防止として検知・警報する側方死角情報システム(BSIS)、死角エリアの接近車両を検知・警報する死角警報(BSW)、前方交差交通警報(FCTA)などの機能をサポートしています。
これらの機能により、乗客やドライバーはもちろん、周辺を走行する車両や歩行者を含む道路利用者全体の安全性向上に貢献します。
本プロジェクトは、ZFが地域市場のニーズに応えながら、世界水準の競争力を備えたソリューションを提供できることを示しています。また、安全性、効率性、持続可能性を兼ね備えた次世代モビリティの実現に向けて、革新的な技術力と商用車分野で培った豊富な知見を融合するZFの取り組みを体現するものです。
なお、日野自動車といすゞ自動車の合弁会社であるJ-BUSを通じて、新型「日野セレガ」に採用されたZFの商用車技術は、「いすゞガーラ」にも採用されています。